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2020.06.14 Sunday

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    POETIC SCAPE salon 002 『はたして写真はアートになったのか?』 ゲスト|粟生田 弓

    2017.05.16 Tuesday

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      写真、美術に関わるプロを招いてのサロン企画第2回は、昨年『写真をアートにした男 ツァイト・フォト・サロンと石原悦郎』を出版された粟生田 弓(あおた ゆみ)さんをお迎えします。

      ご存知の方も多いと思いますが、石原悦郎氏は日本初の写真のコマーシャル・ギャラリーを立ち上げただけでなく、並行していわゆる「アートとしての写真」を日本に根付かせるために格闘しつづけた方でもあります。氏のおかげで今では日本でも写真作品の芸術的価値が認められるようになりました。一方で、この「アートとしての写真」という考え方は、口で言うほどシンプルなものではないと思われます。石原氏本人も「写真を芸術性にだけ閉じ込めてしまうと、魅力がなくなってしまうのではないかという人がいるけど、それは僕にはとてもよくわかるんです。(p.243より)」と、その胸中を述べています。粟生田さんによるナビゲーションで石原さんの仕事を振り返りつつ、石原さんからの宿題ともいえるアートと写真の関係性についてワイン片手に語り合う一夜になれば幸いです。

       

      以下、このイベントに寄せていただいた粟生田さんの言葉です。

      「昨年、10 月に小学館より『写真をアートにした男 ツァイト・フォト・サロンと石原悦郎』が 刊行されました。この本は、1978 年にオープンした国内最初の写真のコマーシャル・ギャラリーであるツァイト・フォト・サロンと、創始者の石原悦郎さんの人生を物語にしたものですが、 結果的には、日本のオリジナル・プリントの受容史として、読んでいただくこともできるかと思っています。「写真をアートにした」と冠しましたが、今回のトークでは「本当にそうなのか?」という問いをテーブルの上に広げさせてもらい、今のリアリティについて話し合えればと思っています。 歴史の話をすれば、たとえば戦前、日本大学に国内初の写真学科が創設された段階では、(実用として)「写真」はアートというよりは、報道、商業といった性格の方が目立っていました。柿島さんのギャラリーは2011年のオープンということで、石原さんはおじいちゃん世代。今を生きる第三世代のわたしたちにとっては、写真はスタートの段階ですでに「アート」という側面で語られる何モノかになっています。 ちなみに、こういう考え方は、メディア論と呼ばれるような社会学的アプローチです。美術史的な方法であれば、「写真」は作家論や作品論で語られることが多いと思いますが、メディア論であれば、「どうして作家論が写真において成り立つのか?」というところからはじまります。 実は、私は、写真というメディアがその性質上、どうしても作家論とメディア論との間を行き来してしまうモノであると考えています。この特性を無視して、写真を語ることは極めてむずかしい。 今一度、「写真がアート」であることを鉤括弧にしまって、ただ、一枚の「写真」について、何をどう語りうるのか、みなさんと意見を交えればうれしいです。」

       

      粟生田弓(あおた ゆみ)

      1980年東京都生まれ。東京大学大学院情報学環特任助教。同大学院在学中にツァイト・フォトのスタッフとなる。画廊の展覧会用カタログなど執筆に関わる業務を中心に行い、その後独立。2010年にファッション・ブランドのRIVORAを立ち上げ、アートとファッションを軸に研究活動を行う。

       

      <イベント詳細>

      日時|2017527日(土)20:00-22:00

      会場|POETIC SCAPE

      参加費|3,000円(ウエルカムドリンク/おつまみセット付き)

      要予約、定員10

      特典|「写真をアートにした男」ご購入の方は参加費500off

       

      お申込はメール(front-desk (at) poetic-scape.com)またはPOETIC SCAPEfacebookページのメッセージにて、参加者の氏名、人数をお知らせ下さい。("at"@に変えてください)

      *メールでのお申し込み後3日以内に返事がない場合はお手数ですがお電話にてご確認ください。